個人保護法の実態と自殺者予備軍の増加に関して

本当はいらない「個人情報保護法」 」について。

すべての企業が「違法状態」


 さらに企業では、個人情報保護のために厳重な情報管理が敷かれ、すべての端末からHDDを取り外し、USBメモリーなどの外部記憶装置も禁止するなどの措置がとられるようになった。それでも個人情報のコピーを完全に防ぐことは不可能だ。ある弁護士によれば「私の顧客になっている企業は、すべて違法状態だ。生命保険のように突然、運用がきびしくなったら全企業がやられる」と心配していた。


 この原因は、個人情報保護法の第23条に「あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならない」という条項(第三者提供)があるため、情報(個人データを含まない情報というのはまずない)を外部に提供することがすべて違法になるからだ。法律を厳密に適用すれば、検索エンジンもインターネットのキャッシングサービスも違法である。

業務委託と言う名目で常駐している偽装派遣社員に対してこういった情報を提示することが違反であるならば、「全ての企業が違法状態」と言う表現も誇張とは思えない。多くの誓約書を書かせて幾度も社員教育やらを受けさせて情報漏えいの心配性を限りなく低くしたところで、違法であることには変わりないし。
加えて派遣社員を取り巻く環境は悪化しているのだから、業務に対する倫理観が低下してしまうのも否めないだろう。

 新聞折込求人紙を発行するアイデム(東京都新宿区)は、2007年下期(7〜12月)の派遣社員業務請負スタッフの募集時時給・求人レポートをまとめた。それによると、首都圏、東海地区、近畿地区の派遣社員業務請負スタッフの募集時平均時給で前年同期比で増加したのは東海地区の業務請負だけだった。


 同期の派遣社員の全職種平均時給は、首都圏が前年同期比13円減(1・1%減)の1199円、東海が3円減(0・3%減)の1185円、近畿が8円減(0・7%減)の1113円だった。


 業務請負は首都圏が21円減(2・0%減)の1007円、東海が9円増(0・8%増)の1063円、近畿は15円減(1・5%減)の995円。


 景気回復に伴う人手不足がいわれているが、原油高騰による先行き不透明感と募集費用や社会保険料負担など諸経費が増加しているため総じて時給は減少している。

正社員であれば「何かあったときに安心」であるとし、給与所得の低さはある意味保険料の支払いであると割り切ることもできるだろうが、短期労働力としてしか扱われない人人にとって、この程度の収入で業務に遣り甲斐を感じたり、企業に忠誠を誓うのは難しいのではないだろうか。


こういう相談は身につまされるものがある。

 学歴が高くなく無職の期間も長いため、面接にこぎつけても不採用続き。資格を取りたいのですが、お金がなくて何もできません。


 親は「いまだに定職がないなんて信じられない」と言います。アルバイト先の店長からも「いい年してバイトでどうするの。しっかりしなさい」と怒られる始末。友達がいないので相談もできず、生き地獄のようです。思い切って上京して仕事を見つけた方がいいのでしょうか。でも、やっぱり地元にいたい。


 住む所がないためにインターネットカフェなどで寝泊まりする「ネットカフェ難民」や「若年ホームレス」のニュースをテレビで見るたびに、数年後は自分もそうなるのではと不安。定職に就いて普通に生活したいだけなのに、もどかしくなります。(青森・B男)

が、識者の回答はきわめて楽観的である。

 そして、アルバイトで構いませんから、仕事を続けましょう。働き続けることで信用がついてきます。あなたの努力を評価してくれる人がいつかは出てくるはずです。


(山田 昌弘・大学教授)

アルバイト期間は無職とカウントされるために「面接で不採用」にされるとあるのに、それでも「アルバイトを続けることで社会的信用が」と言うのはどうなのだろう。この方の努力を評価してくれる人は何時出てくるのだろう。彼はそう言った存在を10年近く探し続けてきて未だ見つからないと言うのに。普通、1つのことを10年続けてきて結果が出なかったら、その可能性はあきらめてしまうものでは無いだろうか。
10年間「アーティストになる」と未だ芽の出ない方に対して「頑張れば何時かメジャーデビューできます」と言う方は居ないだろう。「認められ、受け入れられる」と言う意味ではどちらも同じで、その対象が経営者なのか大衆なのかの差でしかない。


そして認められない人はどうなるか。こんな生き地獄を生き続けることが文化的で最低限度の生活なのか。「命を大切に…」と訴えることが、彼のような境遇におかれた方方にとってどれだけの福音足りえるのか。