「売る」の違い

青森県を売って売って売りまくる──。」より、青森県都知事三村申吾氏にとっての「売る」

 「人以外、何でも売って歩いている青森ですよ」。青森県三村申吾知事は冗談めかしてこう語る。2003年6月の知事就任後、「総合販売戦略課」を設立。「攻めの農林水産業」をキャッチフレーズに、青森県産の農産物を国内外に売り込む。

例えば、「ツアーにトレッキングを入れよう」と言ってきた。日本人はあまりやらないけど、韓国の人って結構歩くんだよね。白神山地八甲田山青森県にはあるわけで。実際に、白神山地八甲田山を旅行会社の人たちに見てもらった。今では立派なツアーになっています。

来年は太宰治の(生誕)100周年。太宰は青森県出身で、「津軽」なども書いた。庁舎から100メートルほど行けば、今でもお孫さんが住んでいますよ。でね、韓国の人は太宰のことをよく知っている。聞けば、日本文学科の中で必ず学ぶらしい。

これも「へぇー」って思ったんだけど、韓国の方が青森空港に降りた時、「空気が世界一おいしい」って言うんだよ。やっぱりブナだと思うんだけど、ブナの広葉樹林帯は空気が柔らかくて甘い。だから、ゴルフ場の空気だってものすごくおいしい。

それに、韓国の人は生ものが好きでしょう。そう考えると、青森県は海岸線が750キロ。太平洋と日本海の海の幸がふんだんにある。いろいろな物を食べられるわけですよ。こういうコンテンツをホテルと組み合わせていく。

青森の良さを押し出して海外からの旅行者を呼び、

 総合販売戦略課とは、青森県産の農産物や魚介類を県外に売り込むために設立した組織。リンゴや野菜などの県産品をオール青森で売り出すことが狙いだ。従来は、商品ごとに担当する課が分かれていたが、それでは効率的に売り出すことができない。そう考えた三村知事が、2004年4月に立ち上げた。


 「我々はバイヤーと生産者のマッチング役」(総合販売戦略課の平舘稔彦課長)という言葉通り、スーパーのバイヤーの産地訪問をアレンジしたり、生産者をフェアに連れていったり、生産者と販売現場をつなぐ活動に力を入れている。


 その結果、今では県外における「青森県フェア」の開催数は増えている。県産品の海外販売も拡大。リンゴの販売額は56億円(2005年)から72億円(2006年)と30%増加した。ナガイモの販売数量も500トンから908トンと倍近い伸びを見せている。


 青森県庁の一組織だが、接客の心構えが徹底されており、来訪者は必ずエレベーターの前までお見送り。扉が閉まるまで頭を下げる。また、毎週月曜日の朝礼時には、課員全員で社是(右上写真参照)を唱和している。現在は33人が在籍。

販売戦略課を創設して特産物を売る。結果、

今、海外でのリンゴの販売量は年3万トンほどになっています。青森県は昨年、約44万トンのリンゴを生産しました。これまで、50万トンを超えると価格が暴落していましたが、海外という販路ができたおかげで、生産調整のリスクが減った。

と、余剰生産物をも利益とする事ができるようになった。
売って得たものは「外貨」
知事の言う「外貨」とは、海外からの収入と言う意味以外に、県外からの収入と言うことも指している。地方の活性化はもはやパイの限られた国内市場に注力して「高速道路料金が無料になれば活性化できる」等と言うレベルで話すのではなく、「日本」と言うブランドを引っさげて海外市場を開拓する事を考えていかなくてはいけないのかもしれない。
そう言う意味では、一部空港の空路自由化は、地方活性化の第一歩となりえるのかもしれない。

<国交省が香港、マカオと航空路線自由化で合意>(2月4日付読売新聞)


 先頃、新聞の政治面にこんな記事が小さく掲載された。 <国土交通省は香港、マカオの航空当局と、羽田、成田両空港を除いて、日本の乗り入れ先や便数を自由化することで合意した>という。これにより、日本と香港、マカオ路線が飛躍的に拡大されるかのような印象を受ける。いわゆる我が国の航空自由化政策の一環だ。


 だが、ここで見落としてはならない点がある。羽田、成田両空港を除く――。つまり、圧倒的な乗客の輸送需要が見込まれる肝心の首都空港は閉鎖されたままなのである。これでは、世界の主流となりつつあるオープンスカイ(航空の自由化)とはとても呼べない。

記事は否定的な論調で書かれている。確かにオープンエアーの理念とはずれるものなのでこの筆者の考えとは相容れないのかもしれないが、私としては日本各地に世界への玄関口が開かれたと言う事は、地方が東京と言う呪縛から解き放たれた事であり、地方の可能性を飛躍的に増大させたとても良い事であるとおもう。
当然、青森の成功例を挙げて全ての地方都市が成功できると主張できるわけではないが、国内の需要が無いために徐徐に衰退しつつある各地の伝統文化・産業が活路を見出せるのではないか、という期待はある。日本各地に残る伝統文化・産業はそれこそ数百年年以上の歴史を持つものも少なくはないのだから、もっと自信を持って日本の良さを海外に売り出して行っても良いのではないか。


一方、そう言う指揮を率先して取るべき立場にある日本国首相、福田康夫氏にとっての「売る」

 福田康夫首相と中国の胡錦濤国家主席は7日午前に首脳会談を行い、「戦略的互恵関係の包括的推進に関する日中共同声明」を発表した。しかし、チベット問題や中国製毒ギョーザ事件、東シナ海ガス田問題といった懸案事項については解決に向けた具体的な道筋を明示できず、「決まったのはパンダだけ」との声も強い。支持率が森喜朗内閣以来の10%台に落ち込む中、福田政権の浮揚につながるものではなかった。


 「非常に充実した、有意義な会談を持つことができた」


 福田首相は7日、胡主席との共同記者会見で胸を張って語った。
 しかし、会見の中身は決して胸を張るべきものではなかった。


 世界中で物議の対象となっているチベット問題では中国とダライ・ラマ14世側との対話について「決断について高く評価している」と、中国側の対応を手放しで褒めたたえた


 ギョーザ問題も「中国も捜査を一層強化するということなので協力していきたい」と述べるにとどめ、中国当局が「国内で毒物が混入した可能性は低い」としたことに文句も言わず、真相解明への具体的な方策も示さなかった


 ガス田問題については「解決のめどが立ったことを確認した。早期に合意することで一致した」と強調したが、具体的な道筋については明言せず、時期についても「明確に言わない方がいい」と言葉を濁した


 日本側は当初、今回の首脳会談でガス田問題で基本合意にこぎつけ、日本の国連安保理常任理事国入りでも中国側から前向きな発言を引き出すシナリオを描いていたが、頓挫したわけだ。


 自民党中堅はこう憤る。


 「西欧諸国の首脳が相次いで北京五輪開会式のボイコットを表明する中、首相は改めて出席に前向きな姿勢を示すなど、中国側にうまく利用された形だ。日中間の懸案事項は先送りされ、日本にとっては成果はないに等しい

問題先送り「日中首脳会議」成果は“パンダ”だけ?

売って得たものは「パンダのレンタル権」だが、パンダについては手放しに成果と言えるのかどうかは微妙。

 上野動物園(東京都台東区)のジャイアントパンダ、リンリンの死について、石原慎太郎都知事は2日の定例会見で、「御神体じゃないんだから、いてもいなくてもいいんじゃないの」などと述べた。中国からのパンダ獲得に日本政府が意欲を示す中、知事の冷めた反応に園を管理する都職員から戸惑いの声が漏れた。


 石原知事は「生きてるものは死ぬんだから。パンダだって死ぬだろうし。世界は狭くなったんだから、見たけりゃいるとこ行って見てきたらいい」と答え、無関心な様子を見せた。リンリンが死んだ4月30日には、小宮輝之・同園園長が会見で「シンボルがいなくなって残念。機会があればまた、(飼育に)チャレンジしたい」などと話している。

石原都知事:パンダ「いてもいなくても…」 上野動物園

 ただ、パンダはそもそもチベットの動物。ワシントン条約で国際取引が規制されていることもあり、原則的に無償貸与もできない。このため、年間1億円以上ともいわれる高額のレンタル料を疑問視する声も上がっている。


 上野動物園では連休中、リンリンのパンダ舎前に記帳所が設けられ、「天国でも元気でね」などと1万人以上が記帳。パンダ関連グッズも売れ行きは好調で、担当者は「上野とパンダは長い結び付きがあり、来園者に愛されてきたことの表れ」と話す。


 一方で、中国側では1950年代から各国にパンダを贈る「パンダ外交」を展開してきたが、近年はワシントン条約に抵触することから繁殖研究目的として原則、有償貸与している。また、パンダの生息する四川省が、チベット族が多く住む地域であるため「外交に使うのはおかしい」との声も上がっている。


 今回の貸与条件は不明だが、レンタル料はつがいで2頭を飼育している神戸市の王子動物園で年間計約1億円。しかし、純粋な増収効果は1億円に満たないといい、さらに研究費としても、年間5000万円が必要という。奥乃弘一郎副園長は「レンタル料ではなく、あくまで希少動物保護という動物園の役割を果たすために支払っているが、なければないで助かる」。


 平成6年から日中共同の繁殖研究をスタートさせ、国内最多の6頭を飼育している和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」では、貸与額は「非公表」としている。

パンダつがいで年1億円 高額のレンタル料に疑問の声も

上野じゃなくても見られる上に、年間1億円のレンタル料に見合った対価が無いのであれば、税金を使ってまで借りることは無駄だ。それにチベット問題が対中感情に与えている影響が大きいと言うのに、中国からパンダを借りると言うことが、より対中感情を悪化させる恐れがあると言うことには気が回らないのであろうか。政治家の頭の中と言うのは、田中角栄氏が首相だった頃から全く変わっていないのかもしれない。
加えて、こんな発表までする始末。

 政府は7日、中国の人材育成奨学計画に対し5億7700万円を上限とする無償資金協力を実施すると発表した。2009年度から2年間、中国の外務省や財政省などの若手行政官48人が日本の大学院に留学するのを支援する。高村正彦外相と陳徳銘商務相が同日、都内で書簡を交換した。

中国に無償協力5億円=行政官の日本留学支援

国の鉱物資源を無償で売り渡し、国民の食生活の安全を無視し、多額の税金を中国の為に使い、中国の人権問題にも何も言わず、それで得たものがパンダのレンタル権。どれだけシャークされたら気が済むのかと憤りを隠せない。福田氏が売っているものは「日本らしさ」ではなく「日本そのもの」であり、これでは「売国」との謗りも免れない
当然の如く、これらの事については身内の自民党内からも不満の声が挙がる。

 「戦略的互恵関係」の構築に向けて共同声明に署名した7日の日中首脳会談。政府・与党幹部らは一様に会談を評価したが、自民党内の保守派議員からは、チベット問題や冷凍ギョーザ事件などの懸案について「福田康夫首相は中国側に厳しい姿勢を示せなかった」との不満が上がった。昨年9月に福田内閣が誕生して以来、保守派議員は「親中派」の首相に対して目立った批判を避けてきたが、チベット問題などの成り行き次第では、保守派が、支持率低迷に悩む政権を揺さぶる事態も考えられる。


 「首相は対立点を深く突っ込まずに先送りしたのではないか。目に見えている収穫は中国からパンダ2頭を借りるぐらいだ」。自民党と無所属の国会議員でつくる勉強会「真・保守政策研究会」(会長・中川昭一政調会長)の幹部は7日、首脳会談への不満をあらわにした。別の幹部は「首相の『対中弱腰外交』に国民も不満を抱いている。内閣支持率はさらに下がるだろう」と語った。


(略)


 こうした動きに対し、首相に近い与党幹部は一応に警戒感を隠さない。親中派を自任する自民党山崎拓前副総裁は、研究会について「もう少し大局的見地に立って日中関係を重視してほしい」とけん制。公明党幹部は「ポスト福田を狙った動きで、今後の布石をしているのだろう。ギョーザ事件などで中国への不満が高いだけに、日中首脳会談が国民の目にどう映ったか心配だ」と語った。【堀井恵里子】

どれだけ国民の対中感情が悪いかと言えば、こんな記事も。

中国の胡錦涛国家主席の日本訪問にあわせて、東京都内で、チベットの人たちや支援している人たちが集会を開き、中国政府に対してチベット問題の平和的な解決を求めました。
集会はチベットを支援する民間の団体が開いたもので、新宿の会場には、日本在住のチベットの人たちや支援者などおよそ1200人が集まりました。集会では、ことし3月以降、中国のチベット自治区などで起きた大規模な暴動で犠牲になった人たちのめい福を祈り、参加者全員が1分間の黙とうをささげました。そして、6日に来日した中国の胡錦涛国家主席に対して、
▽武力を用いた取締りなどを行わないことや、
▽平和的な活動をして拘束されたチベットの人たちを解放することなど、
チベット問題の平和的な解決を求める決議を採択しました。このあと、3000人近い人が新宿の会場から渋谷の代々木公園までのおよそ3キロをデモ行進し、「チベットに自由を」などと声を上げながら、チベット問題の解決を訴えていました。


(*読みやすいよう、引用文に改行挿入)

チベット問題 解決求める集会

 中国の胡錦濤国家主席の来日に合わせ、チベット問題への中国政府の対応に抗議する集会が6日、東京都内で開催された。4200人(主催者発表)がチベットの旗を掲げ、「フリー・チベットチベットに自由を)」とシュプレヒコールを繰り返し、デモ行進した。
 集会にはチベット亡命政府議会のカルマ・チョペル・タグルンツァン議長も出席。チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世チベット自治区ラサへの帰還や完全な自治を求めるとした上で、「中国指導部が私たちの気持ちを酌まなければ、完全な独立を願い、権利行使することになる。ボールは中国側に投げられている」と訴えた。 

チベット問題で抗議デモ=「自由を」4000人が参加−中国主席来日で・東京

都内で大規模なデモ行進に加え、胡錦濤国家主席が観光予定の唐招提寺法隆寺に抗議をしている模様。

 法隆寺唐招提寺には長野の聖火リレーが終わったころから、「参拝を断るように」との電話や手紙、ファクスが相次いでいる。ネット上の呼びかけが影響しているとみられ、「電話は1日数件で、大半が受け入れに反対の意見」(法隆寺)「善光寺も断ったのだから断るようにとの電話がここ4、5日で10件弱来ている」(唐招提寺)。


 両寺は国賓である胡主席を受け入れるが、警察当局は奈良県下の警備も、管区警察局の機動隊を投入するなど厳戒態勢で臨む方向で調整している。

胡主席あす来日 超厳戒 都内警備最大6600人 唐招提寺・法隆寺に抗議も

チベット仏教を否定する中国共産党のトップが日本で寺巡りとは滑稽。


案の定、「民意」を主張する民主党はこの件に関して全く不満の声を上げず、加えて首相の問責決議案をも見送る方向と言うのには驚き。

民主党は7日、首相問責決議案の参院提出について、13日に予定されている道路整備財源特例法改正案の再可決直後には見送る方針を固めた。党本部で小沢一郎代表らが出席して幹部会を開き、保険料の年金からの天引き中止を柱とする後期高齢者医療制度廃止法案の参院提出で合意したのに伴う判断。今後は同法案の国会審議や世論の動向をにらみつつ、2度目の天引き日に当たる6月13日前後を軸に、首相問責決議案の提出時期を探る。

<民主党>「問責」提出、道路再可決時見送り

「世論の動向をにらみつつ」と言うことであれば今しかない筈なのだが、民主党親中派だと言うことが世間で認知されているが為に、内閣支持率が低い今であってもそう簡単に総選挙で勝てると思っていないのであろう。

 民主党小沢一郎代表ら衆参の国会議員四十数人が近く訪中を予定しており、そのあおりで衆参の本会議日程に影響が出そうだという。


 与党側は、15日の会期末を控えた時期に非常識ではないかと批判し、民主党は会期延長前から決まっていた予定だと反論している。国政の重要案件を抱えながら、こんな論争が起きること自体、緊張感欠如の表れではないか。


(略)


 訪中は日中間の民間交流を重視する小沢氏が長年続けてきた行事で、一般人も含め参加者は400人を超える。小沢氏と中国首脳部との会談も予定されている。その意義は認めよう。


 しかし、菅直人代表代行や山岡賢次国対委員長を含め、この時期に国会議員が数十人規模で同行することが不可欠なのだろうか。規模縮小も考えられただろう。どうしても予定が変更できないなら、自民党が要請しているように、その他の日程で埋め合わせてもらうしかあるまい。

【主張】民主党訪中団 この時期に説明つくのか

国民の関心事である餃子問題やチベット問題を黙殺する民主党に「民意」を語る資格があるのだろうか。


ちなみに、歴代総理の中で中国側に苦言を呈することができたのは、唯一安部前総理のみだった模様。

 来日中の胡錦濤中国国家主席は8日午前8時から、東京都千代田区ホテルニューオータニで、中曽根康弘海部俊樹森喜朗安倍晋三の歴代首相と朝食会を開いた。ここ10年間の日中間のわだかまりを超えて「暖かい春の旅」の演出を狙った会合だが、安倍氏チベットなどの人権状況への懸念を表明。


(略)


 一方、安倍氏は「戦略的互恵関係の構築に向け、相互訪問を途絶えさせない関係を作っていくことが重要だ」と述べ、小泉氏の靖国参拝をめぐり中国側が首脳交流を途絶えさせたことを暗に批判。


 その上で「北京五輪を前にチベットの人権状況を憂慮している。ダライ・ラマ側との対話再開は評価するが、五輪を行うことでチベットの人権状況が改善される結果が出ることが重要だ」とクギを刺した。


 さらに安倍氏ウイグル問題にも触れ、東京大に留学中の平成10年に中国に一時帰国して逮捕されたトフティ・テュニアズさんについて「彼の家族は日本にいる。無事釈放されることを希望する」と述べた。


 胡主席はトフティ氏について「私は知らないので、しっかりした法執行が行われているかどうか調べる」と応じたが、チベット問題について言及はなかった。

安倍はKYアル。 胡錦濤主席と歴代首相との朝食会でチベットとウイグルに言及!

前首相は国務大臣が自殺したり顔に痣作ってきたりと波乱な政権運営を続けて来た為か、急な辞職をすることになった。失策ではなく国務大臣が任命前に50万程度の不正をしたと言う理由で「任命責任」を問われたのも印象的だった。
今、こうして自民党内の親中派勢力の強さや野党各党の態度を見ていると、去年の気違い染みた安部降ろしも頷ける。