政権交代を重視して国民生活をないがしろ

19日、民主党の審議拒否によって空転していた国会が、6日ぶりに審議再会。

 参院予算委員会は19日、麻生太郎首相と全閣僚が出席して、定額給付金を盛り込んだ08年度第2次補正予算案と、給付金部分を削除した民主、社民、国民新の野党3党が提出した修正案について基本的質疑を始めた。13日の衆院での2次補正採決以降、民主党の審議拒否で空転していた国会は6日ぶりに正常化した。


 消費税増税の時期について、首相は「しかるべき財政収入がないと安心した財政出動もできない。11年までに景気を立て直し、財政の無駄(遣い防止)や行政改革をやったうえで、中福祉をやるなら中負担をお願いせざるを得ない」と述べ、改めて11年度からの消費税増税を目指す姿勢を示した。椎名一保氏(自民)への答弁。


 基本的質疑は20日まで。2次補正について与党は23日の本会議での補正と関連法案の一括採決を目指すが、民主党は一括採決には応じない方針。与党は、衆院で09年度予算案との「並行審議」に入ることも視野に、民主党への圧力を強める。

2次補正予算案:参院で審議入り 国会6日ぶり正常化 - 毎日新聞 2009/01/19 -

20日、再開したと思ったら、民主党の石井副代表が予算委員会の場でこのような質問。

 麻生太郎首相の漢字の使用、読み方をめぐり、20日の参院予算委員会で、民主党の石井一副代表が首相にかみつく一幕があった。


 石井氏は、月刊誌「文芸春秋」の昨年11月号に掲載された首相の手記で使われた「就中(なかんずく)」など12個の漢字を並べたボードを用意し、「相当高度な漢字だ。これを隠して、どれだけ読めるかやってみたかったが、先に渡してあるから今なら読めるだろう」と首相を挑発した。


 これに対し、首相は「多分、みなさんが読みにくいのは『窶し(やつし)』ぐらいではないか。後の漢字は普通、みなさん読める」と答えたが、さらに石井氏は「もしそうなら、なぜ未曾有を「みぞうゆう」、踏襲を『ふしゅう』と言うんだ。おかしい。強弁だ」と反論した。

民主の石井副代表が首相に漢字でかみつく 参院予算委 - MSN産経ニュース 2009/01/20 -

予算委員会で首相の漢字読解能力が重要になるのだろうか。これには流石に批判が殺到。

 20日の参院予算委員会の質問で、民主党の石井一副代表が麻生太郎首相に「漢字テスト」をした直後から、石井氏や同党本部に苦情が相次いだ。


 関係者によると、21日までに電話や電子メールで寄せられた声は「経済が大変なときに税金を使って何をやっている」「何の目的があるのか」といった批判的な内容が大半。民主党支持者と名乗る人からは「そんなことで政権がとれるか」と厳しい注文がつけられたという。


 民主党本部はこの件については「答えられない」としているが、中堅議員は「失敗。党のイメージが悪くなる」と渋い表情だ。

民主・石井氏らに批判殺到 首相への「漢字テスト」 - MSN参詣ニュース 2009/01/21 -

自民党に対しては「説明責任を果たせ」と強弁するわりに、自らの説明責任を果たそうとはしないダブルスタンダードな姿勢は、民主党が政権を取った場合に自民党政権と変わらない状態になる事を示している。
人の振り見て我が振り直せと言う言葉を民主党議員の方は知らないらしい。


どうやら民主党は、国民の生活よりも政権交代にしか興味がないようだ。審議拒否や意味不明な水増し質問を繰り返し続ければ、この状況下で国民生活により一層の負担がのしかかってくる可能性がある。

 政府が2009年度予算案の関連法案として国会に提出する関税暫定措置法案が08年度中の3月末までに成立しなかった場合、1500〜2000億円の国民負担が生じる可能性があることが19日、政府の試算で明らかになった。


 輸入品にかかる関税への軽減措置の期限が切れ、外国産の牛肉やたばこなどが値上がりしかねないためだ。政府・与党は、軽減措置を延長する「つなぎ法案」の提出も検討する。


 関税法案は417品目が対象。このうち415品目について軽減税率の適用を来年3月末まで1年間延長し、2品目については無税とする内容だ。


 法案が年度内に成立しない場合、軽減税率は期限切れで失効する。関税が現在、無税の紙巻きたばこは、1箱あたり12円程度の値上げが想定され、ウオツカの税率も無税から16%に引き上げられる。


 税率が38・5%に軽減されている牛肉は、本来の税率である50・0%が適用される。オーストラリア産ステーキ肉は100グラムあたり14円程度の値上げにつながるとみられる。


 予算関連法案が野党の反対などで年度内に成立しなくても、軽減措置を延長する「つなぎ法案」が年度内に成立すれば、負担増は回避できる。

関税法案、年度内成立なければ牛肉・たばこが値上げに? - 読売新聞 2009/01/20 -

「国民生活第一」を謳う民主党の国会運営の結果がこれである。まあ本当に国民生活を第一に考えているかは、民主党党大会での発言を見れば分かる事だが。

 自民、民主両党は18日、都内でそれぞれ定期党大会を開いた。政権選択を問う次期衆院選が秋までに必ずあるだけに、麻生太郎首相、民主党小沢一郎代表は対決色を鮮明にした。


 首相は自民党大会の演説で「経済危機にきちんと対応策を示せるのは自民党しかあり得ない。私が先頭に立って戦い、不況克服に全力を挙げる」と政権維持に強い意欲を表明。社会保障制度の維持には「給付に見合った負担が必要だ」と述べ、税制関連法案の付則への「2011年度からの消費税増税」明記は譲れないとの立場を強調した。


 小沢氏は党大会のあいさつで「政治の役割は国民の命と暮らしを守ること。権力行使の目的さえ見失った政権は一刻も早く消え去るのみだ」と、早期の衆院解散・総選挙と政権交代を訴えた

自・民が党大会開催 首相「不況克服」、小沢氏「政権交代を」 - NIKKEI NET 2009/01/18-

「政治の役割は国民の命と暮らしを守ること」と発言するのであれば、目下の課題は「政権交代」ではなく「自民党と連携しての不況脱却」であろう。
審議拒否を繰り返した挙句、予算委員会で副代表の地位にあるものが的外れな質問をし、結果国民生活により一層の負担を強いる恐れがあって尚、具体的な目標が政権交代でしかないような民主党
このように、この不況さえも政権交代の手段にしか考えていないような政党を応援する事は出来ない。政権交代を訴えるならば、政権担当能力があるところを示せるような政策や質問を行うべきだ。


ちなみにgoogleの検索結果では「民主党が政権を執る」よりも「民主党が政権を取る」の方が10倍程多いが、これは漢字の書き間違いと言う事よりも、民主党に対する率直な印象のように思う。
つまり「民主党は政権を奪取できる(=取れる)だろうが実務能力がない(=執れない)」と言う事だ。私の友人らの多くは「民主党に一旦政権をとらせて自民党を反省させ、改めて自民党に政権をとらせないと国が良くならない」と言う。民主党に長期的な政権担当能力を求めているのではなく、自民党への抗議の意思表示を示したいだけなのだ。
残念だが、それが民主党に対する国民の評価なのだろう。