非正規雇用推進の結果

http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20071004/136800/」にもあった非正規雇用者の採用が進む事による弊害について。

 「私たちの職場の構成員を見ると、正社員は3分の1以下。大部分が派遣社員とパート・アルバイトと外国人労働者の混成部隊。その人たちに技術を教えるのだが、彼らが将来ライバル企業で働くかもしれないと思うと、もうひとつ熱が入らない。


 また、彼らも“次の職場では、こんな技術、役に立たないかもしれない”と思っているためか、積極的に覚えようとしない。このままでは我が社の技術は遠からずなくなってしまいますね」と嘆いておられた。

ここでは「雇用形態の違いによるやる気の差」が問題視されているが、実際は賃金格差による部分が大きいのではないかと思う。情報は古いが、「トヨタの場合/所得減るなか 負担増やめよ/賃金 正社員の1/3」にはこうある。

 トヨタ関連工場での正社員と請負労働者の賃金格差が、時間給比較で、正社員三千四百円に対し、請負は千七百円の時給から35%が請負会社のマージンに取られ、千百円と三倍もの開きがあります。

これではやる気が起きないのも仕方が無いのではないだろうか。
このような労働者の扱い方をしていて自動車自体の品質が守られたのかといえば、
47万台のリコールを発表したり*1

トヨタ自動車は17日、「クラウン」など13車種・約47万台のリコールを国土交通省に届け出た。対象となるのは、1999年―2007年製造のクラウンや小型車「シエンタ」「bB(ビービー)」など計13車種・47万1827台。

米国では信用度が下がった

 米消費者団体専門誌「コンシューマー・リポート」は16日に発表した新車の信頼性に関する調査結果で、トヨタ自動車への信頼感が低下していると指摘した。


 調査では「最も信頼できる39車種」のうち17車種をトヨタ車が占めたが、人気の乗用車「カムリ」など3車種の一部モデルは「平均以下」と評価された。米メディアによると、カムリでは自動変速機が不評だったという。

と、どうも守られているとは思えない。


それに派遣社員が経歴査証しているという事も当然ありえるだろうし、作業員が適切な能力を持って仕事をしているとは思えない。
なんだかんだで品質を守る為には正規雇用者を増やし、有る程度生産コストをかけるのは仕方が無いのではないかと思うのだが、株主や経営陣が自らの取り分を減らす事を受け入れない限りは難しい。
一年単位の利益ではなく十年単位での利益目標を考えていかなければ、業界の未来は無いと思う。

*1:とは言え、トヨタのリコール数は近年常に高いので、47万台のリコールなんてそれほど驚くべき数値ではないのかもしれない。