首相の気楽な発言

お米たくさん食べる→減反不必要→自給率上昇 首相語る」について。

 福田首相は1日、首相公邸前で記者団に米の減反政策について問われ、「たくさんお米を食べて、減反をしないで済むようになれば自給率は自動的に上がる。まずはそれをやりましょう。できることからやりたい」と述べた。町村官房長官は5月31日に「減反政策を見直していく必要がある」と語ったが、首相は政策見直しには言及しなかった。


 一方、5月30日に発足した自民党食料戦略本部の本部長を務める加藤紘一元幹事長は1日のフジテレビの番組で「お米は余っている。それよりも大豆や小麦を作らないといけない。『農業は米だ』というこびりついた発想だ」と町村氏の見直し発言を批判し、自給率の低い大豆や小麦などの安定確保のため、国内生産のあり方や輸入ルート確保策の検討が必要だと指摘した。

食料自給率の問題について、具体的な政策を挙げるでなく、国民の努力によって解決させようと言うような発言が、一国の首相の発言であるとは到底思えない。麻生氏の指摘もご尤もだ。

 自民党麻生太郎前幹事長は28日夜、都内でのジャーナリストとの対談で、福田康夫首相に関し「官房長官の時はひょうひょうとした雰囲気だった。ただ首相になっても、ひょうひょうとして『困っちゃうんですね』とか言うのを見た時は『おまえの仕事だろ』と思った」と述べ、政治姿勢に疑問を呈した。

麻生氏が福田首相の政治姿勢に苦言

「皆、国の為に頑張ろうぜ」レベルのことは、ここのような個人ブログや報道にでもできる事であり、政治家の発言ではない。政治家の仕事は、己の描く国の将来像に向けて法律を整えて行くことではないか。自給率の問題などと言うものは、80年代の小学校の社会の教科書でも取り上げられている問題であって、今まで放置してきたこと自体が、全ての政治家が将来像を持たずに政治をしてきたことの現れである。
そうして残された負債の多くは国民が負うことになる。


大阪府では府民にその責を負わせないよう、知事が頑張っているようではある。

 「私たち、何か悪いことをしたでしょうか」――。大阪府の352億円にのぼる大幅な人件費削減案をめぐり、橋下徹知事は2日、職員労組との初めての団体交渉に臨んだ。職員からは切実な訴えが相次いだが、橋下知事は「今回は緊急避難的にやむを得ない」と理解を求めた。


 橋下知事は午前中、府労働組合連合会(新居晴幸委員長、約1万8千人)との交渉に20分余り出席し、職員の生の声を聞いた。


 組合側は4人の職員が暮らしの厳しさを訴えた。大学、高校、小学生の4人の子どもがいる男性職員(42)は「この子たちを育てていけるか不安でいっぱい」と将来の展望が見えない不安を語った。


 今年度で定年退職を迎えるという別の男性職員は、退職金が今年度から5%削減されることを「後出しじゃんけん」と批判。「42年間、私なりに前向きに仕事をしてきた。最後のしっぺ返しがこれかと。後出しじゃんけんが悪いことは子どもでもわかりますよ」と怒りをぶつけた。

橋下知事、初の団交出席 職員「私たち悪いことした?」

職員の誰もが自分達の責任を感じていないのだとしたら問題であろう。以前も指摘したが、自らの仕事に疑問を持たずに上から言われていた仕事のみを淡淡とこなすことにも問題がある筈だ。派遣・契約職員ならまだしも、「出世に響く」と問題を指摘せずにいた職員らの責任は問われて然るべきであるし、政策に対して一定の発言ができる課長職以上には重責任を負わせるべきであろう。上記のように「最後のしっぺ返しがこれか」と憤る職員の方もいるようだが、そもそもその積み立てられた退職金そのものが大阪府の財政を圧迫してきた元凶であると言うことを理解していないのであろうか。
また解雇すると言う訳でもないし、公務員の方には公務員宿舎が用意されているのであろうから、衣食住の問題は無いだろう。上記職員の方のように4人の子供が居る家庭であれば全員を大学に進学させるのは難しいかもしれないが、そもそも1人の子供を大学に進学させるには1000万以上かかるのだと言うのだから、親の収入だけで4人も大学進学させようと言うのは極めて恵まれた家庭のみの特権であるとさえ言え、「不安でいっぱい」なのは己の無計画さが原因とさえ言える。


己の描く将来像に合った政治家を選ぶのも国民の責任である。政治家に不満を持つ前に、先ずは自分の政治意識を問うべきかも知れない。