税金が余ってる訳が無いだろう…

高速料金が一部で引き下げになる模様だが、財源は道路特定財源から。道路特定財源一般財源化に伴い、とりあえず道路特定財源として徴収しているものを何が何でも道路行政に回してしまえ、というお粗末な政策の一環なのだろう。

ガソリンにかかる揮発油税などの道路特定財源を活用し、今後10年間にわたって年2000億円前後を投入する方向で調整している。慢性的な道路渋滞を緩和するほか、原油高に伴う燃料費高騰に苦しむ物流業者の負担を軽減する狙いがある。


 町村官房長官は3日、公明党の北側幹事長、自民党の加納時男・原油価格高騰対策プロジェクトチーム座長と個別に会談し、原油価格高騰への緊急対策として、道路特定財源を活用した高速道路料金引き下げなどの提言を受けた。町村長官はこの後の記者会見で、政府の原油価格高騰対策を近く発表する考えを示した上で、高速道路料金について、「一定の条件下における引き下げはあり得ることだ。中身はいま、最終的に詰めているところだ」と述べた。


 料金引き下げの具体策としては、〈1〉高速道路や、その周辺の一般道路の渋滞が頻発する路線〈2〉夜間にトラック業者ら物流業者の利用が多い路線――などを選定し、時間帯割引などを拡充する方向となっている。


 政府は道路特定財源の一部について、日本高速道路保有・債務返済機構が抱えている旧道路関係4公団の債務返済に充当することを検討している。これにより同機構に道路の賃貸料を払っている高速道路会社6社の負担が軽減され、料金引き下げを可能にするという仕組みだ。


 高速道路料金の引き下げは昨年12月に閣議決定された道路特定財源の見直し策に盛り込まれ、来年の通常国会に関連法案を提出することが明記されている。

10年にわたり2000億、つまり2兆円もの金を使うという事。高速道路会社の収入は料金収入であり、料金収入の多くは借金返済の為に使われている。そして借金返済の為に利用料金の増加を行おうともしているのだから、利用料金軽減の為に税金を投入する余裕など無い筈だ。


それに物流は鉄道輸送等、車を使わない輸送手段を採ってコスト削減に努めている企業もある。物流コストを下げる事が道路料金の値下げと唱えるのはそういった企業努力を否定する事に他ならない。長距離は鉄道、短距離は車と言うように、最適な物流のあり方を想定した上での税金投入であれば構わないが、このような既存システムの維持のみを目的とした税金の使い方は、無駄使いとしか言いようが無い。
例えばこれだけの金を使えば、鉄道物流を加速させる為に新たな路線の設営や荷卸拠点の拡充などが行えるはずだ。CO2削減の意味でも長距離陸送を鉄道に頼る事は重要な意味を持つのだから、国策として十分意味のある税金の使い方になる筈だ。