分析の仕方が違うかな

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20071114/140564/」について。
3点反論。

1.

 据え置きゲーム機市場は「2強1弱」となりました。


 2強の一角はWiiです。これまでゲームに興味のなかった層を引きつけたことにより、一気にトップにのぼりつめました。発売から1年で、全世界で1300万台を超える普及に成功。いまや盤石な体勢を整えたといっていい。


 2強のもう一角は、北米市場で強さをみせるXbox 360です。爆発的に普及しているWiiに抜かれるかと思いきや、2007年秋に息を吹き返しました。1年先に発売されたアドバンテージを活かし、「HALO3」などのビッグタイトルを連発。マシン本体の売り上げも伸ばしてきました。ヘビーユーザーに愛されるマシンとして、そのポジションを確保した格好です。


 両マシンの勢いは、まだ止まりそうにありません。2008年以降は、任天堂マイクロソフトの2強時代となるでしょう。プレイステーション3PS3)は、この2強の戦いに加われず、厳しい立場に追い込まれています。


“Winner takes all”がゲームビジネスの常識だったが
 2つのマシンが「2強体制」になるのは、ゲームの歴史上、きわめてめずらしいことです。


 これまで、2つのマシンが肩を並べて共存した例はありません。ゲームビジネスは「一強皆弱」の市場だからです。他のライバル機を叩き潰し、生き残ったところが唯一の勝者になる市場だったのですね。

販売台数のみで分析をするとこうなるだろうが、ソフトごとの売上を基準にして考えると、据え置き型ゲーム機としては「WiiPS2の2強」と言える。


2.

 いまのゲームビジネスの主役は携帯ゲーム機です。その中で圧倒的勝者であるニンテンドーDSが、現時点での唯一の勝ち組なのです。全世界では5000万台以上を普及させ、いまなお売れ行きが鈍らないという驚異的な勢いを持続中。据え置きゲーム機の主要3マシンであるWiiXbox 360PS3の売り上げ台数を合計しても、DSの累計販売台数には届きません。その視点から見ると、やはりゲームビジネスは「一強皆弱」だということもできますね。

据え置き型ハードと携帯用ハードは長い間共生しあっていた。ここでDSを出して「一強皆弱」を唱えては、GBやGBAがPSやPS2の隆盛期に廃れなかった理由を説明できない。


3.

 これは、ゲーム市場が巨大化したことと無縁ではありません。キッズ層からシニア層まで、老若男女を問わず楽しめるエンタテインメントになったため、発売から1〜2年のマシンでは、すべてのユーザーを満足させることができなくなっているのです。

XBoxよりもPS2のソフトの方が未だに売れ続けている事実と矛盾する。



以下、私見


私は、ゲーム機に求められているのはインターフェースであり、それを活用できるゲームが有る事が、そのプラットフォームを広げる為の要因であると考えている。
例えばFCとPS2を比べた場合、FCでできてPS2でできないことは殆ど無い。これはSFC、PS、SS、DC等にも言えることで、インターフェースが有る程度共通化しているために下位互換性が保たれているからだ。その為、ゲーム会社にとっては「普及しているプラットフォームで販売した方が売れる」となり、結果「Winner takes all」になる。
しかしWiiは独自のインターフェースを持つことで、その流れを断ち切った。「Wii用のソフトはFC系のハードではプレイできない」となれば、既存のハードと潰しあうことなく普及させる事ができる。任天堂の岩田社長が「ゲーム層の拡大」を唱えてWiiを販売し始めた事は記憶に新しく、事実、現状はその目的に沿って展開されているといえるだろう。
今後XBoxがどんどん売れたとしても、XBoxはやはりFC系のゲーム機であるので、PS2を駆逐することはあってもWiiを駆逐する事は無いだろう。


GB等も同じだ。
据え置き型ゲーム機と携帯ゲーム機とでは、インターフェースに明らかな違いが有る。インターフェースを入出力機器と言い換えれば、その違いを明確に理解してもらえるだろう。
先の例と同じように、GBから始まる一連のハード群において、DSは下位互換を保ちつつも独自インターフェースを持つ事で一人勝ちを続けている。
販売当初は「タッチパッドなんて何に使うんだ」と思われていたし、私も思っていた。が、友人や兄弟に「PSPとDSはどっちを買うべきか」と尋ねられたときは、迷わずDSを押していた。「今はまだ出ていないが、タッチパッドを使った想像も付かないソフトが何時か絶対に出るから」と言うのが理由だった。


「ハードの性能は確かに数年で陳腐化する」と言うのは、紛れも無い事実である。
同様に「斬新なインターフェースは数十年経っても陳腐化していない」と言う事も、ファミコン発売から十字キーが未だに使われ続けていることを見ても明らかであろう。
よって、ハードにとって重要なのはインターフェースであり、下位互換性のあるインターフェースを持つ性能の高いハードは性能の低いハードを駆逐するが、互換性の無いインターフェースを持つハード同士は共存しあえる、という事だと思っている。


とは言え、欲しいソフトが無い限りハードの購入はしない。なのでXBoxで日本向けの面白いソフトが出ない限り、PS2からの買い替え需要は無く、当面XBoxよりもPS2が優勢ではないかと思う。
FFやDQシリーズがXBoxで出るとなるとまた情勢が変わってきそうだが…流石にXBoxグラフィック性能を堪能しようと思ったらテレビまで買い換える必要があるからなぁ…BDやHD-DVDの普及が伸び悩んでいるのも同じ理由ではないだろうか。