今更、の感が有る話題

消費者は関心を持っているか?--次世代DVD戦争の行く末 - CNET Japan」について。

 しかし、これら2つのフォーマットの立ち上げから18カ月以上が過ぎた今も、「はたして一般の消費者は関心を持っているのか?」という問題が残っている。多くの人は、「まだ関心がない」と答えるだろう。

販売前から過熱していたのは報道のみだった。どちらの陣営に何社が入った、という事を大大的に報じて「○○陣営有利」としていたのはマスコミだけではないか。何を今更記事にする必要が有るのか、と思う。


面白いのは下記の点。

 今は両陣営とも、技術面に消費者の関心を向けさせようと懸命である。しかしほとんどの消費者は現在、必ずしもそれらの技術のメリットを享受できない。それは、HD DVDフォーマットの映画であれBlu-rayフォーマットの映画であれ、最大の効果を引き出すにはフルハイビジョン(1080p)テレビが必要だからである。

つまり、両技術とも消費者がどのような再生環境を持っているのか、と言う点について着目・検討して作られた規格ではない、ということ。であれば消費者が寄り付かないのは当然の結果だろう。
フルハイビジョンテレビと次世代DVD再生機器を同時購入したら一体幾らになるというのか?そして購入したとしても、フルハイビジョンテレビを置けるだけのスペースがどれだけの家庭に有るというのだろうか。


規格モノを制定するに当たり、消費者を考えずに「売りたいものにあわせて作る」では拙いだろう。


消費者のことを考えない、と言う点については
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20071023/138330/」も同じだと思っている。

 日産のかつての「スカイラインGT-R」は特別な車だった。しかし、スカイラインの派生車だったし、はっきり言えばマニアのための車にしかすぎなかった。そして6年前に限定車1000台を販売して、生産終了になってしまった。

水野: 僕らはカテゴリーを変えます。スカイラインGT-Rというのは、しょせんスポーツカーですが、GT−Rスーパーカーです。スポーツカーとスーパーカーは絶対的にカテゴリーが違います。例えば 最高速が公道で300キロ以上出せて、ニュルブルクリンクのコースで8分切れる。これが従来のスーパーカーの価値でしょう。

これまで「GT-R」と言う言葉に対してファンや購入層が持っていたイメージを否定し、自らの提供する新しい価値観を背負わせようとするのは、製作者側のエゴでしかないと思う。
車の魅力とは、その車のパフォーマンスだけではなく、その車を通じて手に入れた知識や新しくできた人間関係などを合わせたものだと私は思う。32〜34のGT-Rが未だ根強い人気なのは、多くのファンがGT-Rを改造し、情報を交換し、共に走り、語り、その上で車を愛しているからではないか。それを「マニア向け」な楽しみ方と切って捨てるというのか。


「自動車を趣味にする人がいない」のは、趣味にしたい自動車を作らないからである。
カインズホームやジョイフルホンダなどが流行るのは、消費者がDIYを楽しんでいるからである。アイドルマスター初音ミクが流行るのも、自己表現をしたいからである。
完成度が高く全く弄る余地の無い完成品は、それはそれで価値が有るものだと思うが、多くの消費者が望んでいるものではないだろう。
「自動車離れ」を嘆くなら、そう言う点からもう一度車作りを考えて欲しい。