ゲームに対する偏見

上記に関係して国内の話題。こんな提言が衆議院にて嘆願されていると言う情報が「美少女アダルトアニメやゲームの規制嘆願が提出される」にありました。

 街中に氾濫(はんらん)している美少女アダルトアニメ雑誌やゲームは、小学生の少女をイメージしているものが多く、このようなゲームに誘われた青少年の多くは知らず知らずのうちに心を破壊され、人間性を失っており、既に幼い少女が連れ去られ殺害される事件が起きている。これらにより、幼い少女たちを危険に晒(さら)す社会をつくり出していることは明らかで、表現の自由以前の問題である。社会倫理を持ち合わせていない企業利潤追求のみのために、幼い少女を危険に晒している商品を規制するため、罰則を伴った法律の制定を急ぐ必要がある。
 ついては、美少女アダルトアニメ雑誌及び、美少女アダルトアニメシミュレーションゲーム製造及び販売規制の罰則を伴った法律を制定されたい。

美少女アダルトアニメ雑誌及び美少女アダルトアニメシミュレーションゲームの製造・販売を規制する法律の制定に関する請願

今のところ円より子議員(受理番号2525)と下田敦子議員(同2550)の両議院(いずれも民主党議員)が賛同されているようです。
「ノベル形式のものは規制されないのか?」等といろいろと突っ込みたいところはあるのですが、先ずは参照元サイトでの意見を引用します。

 物凄く分かり易く要約すると、「エロゲーをする奴は心が壊れていて人間じゃないから幼女を強姦する。だからエロゲーを規制しろ」ということになります。ええと、円議員あなたの血は何色ですか?


 そもそも強姦の認知件数は平成8年からは増加傾向にありましたが、平成16年以降から減少傾向に転じています。さらに昭和の時代から見れば格段に減少しているのです。何を持って美少女アダルトアニメやゲームのユーザが犯罪者だと言うのでしょう。


 だいいち嘆願理由にしても私から言わせて貰えば、「ゲームをしているうちに心が破壊される」のではなく、「現実世界で心が破壊されたからゲームに逃げた」のです。よくよく考えれば普通の人は分かるはずです。あれはタダの絵だ、と。

美少女アダルトアニメやゲームの規制嘆願が提出される

幼女強姦の発生件数についてはこのサイトで纏められているので参照にして欲しい(警視庁の犯罪統計資料と比較して値を確認し、信頼が置けると判断した)のですが、引用元の筆者の言うように美少女ゲームの販売によって幼女が危険にさらされていると言うのは見当違いです。
また、多くの美少女ゲームに於いて小学生をイメージしているとは私の経験上あまり実感がありません。そう言うゲームが見受けられることもまた確かですが、全体から見ればごく小数でしょう。美少女ゲームを取り扱う店内の様子を見ても、異様ではあるでしょうが、各ソフトが小学生をイメージしているとは思えません。
そう言う意味で、この筆者の発言はとても共感ができます。


しかし下記の点が気になりました。

 5月14日に民主党円より子参議院議員から、ある嘆願が提出されました。内容は、「美少女アダルトアニメやゲームを規制すべき」というものです。もしもこれらが規制されてしまうことになれば、全国のモテない童貞男子諸君にとって大打撃です。

美少女アダルトアニメやゲームの規制嘆願が提出される

美少女ゲームがモテない童貞男子のものだとは思いません。10年程前のアンケート結果ではありますが、このような考察をされているところがありました。

 今度はソフトの所有本数を尋ねた。何度か述べているようにギャルゲーの定義自体、明確に定まっている訳ではない。よって何をギャルゲーとするかは、その人の判断に任せられる部分がある。
 そのことに注意して結果を見ると、1〜5本が最も多かった。このことに関して回答者の中から「ギャルゲーはプレイ時間が長く、キャラクターの数だけストーリーが存在するので、他のソフトに手を出す余裕がないのではないか」という意見を頂いた。
 0本という人の殆どは女性で、男性3人に対して24人だった。「持っている友達にやらせて貰った」とか「プレイしているのを見ていた」という但し書きが付いていたので、関心があるといっても自分でやってみたり、ソフトを買うことはない女性の姿が例える。男性のそれよりは消極的な態度といえる。
 持っている人達に目を向けると一番持っている人は20本程度で、女性でも16本という人がいた。さらに「多すぎて分からない」といった回答もあった。しかし先にも述べた様に人によってギャルゲーの定義が異なる現状を考えると、本問は客観的な比較であるとは言い難い。もっとも市場に出回っているギャルゲーの数は、それよりも多いと思われる。
 ちなみに本間の設定では、10本持っている人は3でも4でも選べることになってしまう。これは私のミスであるが、気付くのが遅すぎた。回答者の方々にお詫びしたい。


(略)


 ギャルゲーのプレイに対する将来の志向を聞いてみた。ここまで聞いてみれば、関心の度合いも、おおよそ掴めるだろう。
 「まあそう思う」と「かなりそう思う」を合わせると全体の7割以上の人が、これからもギャルゲーをやりたいと思っていることになる。ここで注目すべきことは、男性の積極さが、関心や経験を尋ねたときに比べ、ややぺ一スダウンしている点である。【a】では 「かなりある」と答えた男性42人に対して「まあある」と答えた男性は25人、【b】では「かなりある」44人に対して「まあある」17人と、同じ関心や経験の中でも、かなり積極的な意志を示す男性が多かった。しかしここでは「かなりそう思う」が30人に対して「まあそう思う」が29人と、殆ど同じになっている。ここでは関心者層が今までに見せた勢いが、やや弱まっていることが例える。
 問3ではギャルゲーへの関心の高さを多角的に測ろうとした訳だが、イベントで取っただけあって、やはり全体的に関心は高いといえる。とはいえ関心が高いといっても、男女別人数を見れば関心の高い層は「男高女低」、低い層は「女高男低」の傾向があり、関心の有無の度合いが強まる程、その傾向も顕著になっていた。これは、本アンケートの結果全体にも見られる傾向である。,しかし、これはどちらかといえば男性向け娯楽だったゲームの中の、しかもギャルゲーということを考えれば当然ともいえる。


(略)


まずは未婚か既婚かを尋ねた。既婚の人には特に異性関係を尋ねる必要は無いだろうから、ここで筋に掛けた。既婚者は女性に3人いるだけだった。次から対象者数は151人となる。全体のほぼ8割が未婚者であった。回答者の年齢構成をからすれば、当然ともいえよう。
 無回答者は約2割であったが、年齢構成やこれ以降の質問にも応じる人がいた事実より、その多くは未婚者だと推測出来る。なお、間8は総じて無回答者が多い。これはプライベートに立ち入る質問であるから、ある程度仕方ないことであろう。
 

(略)


 異性関係の実態を現在(表15)と過去(表16)の項目に分けて尋ねた。答えたくない人の為に「なんともいえない」を用意したので、ここでの対象者は137人になった。
 現在「つきあっている」という人は全体の約1割、女性の方が少し多かった。仮に無回答者が全員この答えだったとしても、「つきあっていない」人達には及ばないことになる。過去につきあった経験が「ある」人と「ない」人では後者が少し多いが、ほぼ均衡しているといえよう。無回答者の実際も気になる所である。これらの結果が同年代でギャルゲーに関心がない人達と比較して多いか少ないかは、比較すべき資料が無いので論じることは出来ない。

ギャルゲーに関する一試論

結婚していようが、付き合っていようが、過去に付き合っていようが、美少女ゲームはやっている訳です。彼氏がいてもトレンディドラマを見て「○○さん格好良い」と言う女性がいるのと同じようなものでは無いでしょうか。恋人は恋人であり、物語の中の登場人物は架空の存在であると割り切って物語を楽しむと言うことは、ゲームに限らず小説等にもあることだと思います。
まあ友人らの言を借りれば「結婚したら一人部屋が持てなくなった」とか「子供部屋の為に自分の部屋が奥さんと兼用になった」と言う環境的な要因でゲームができなくなる事はあるようです。


それに最近は男性にとって女性と付き合うことにそれほどメリットを感じて居ないと言うのも一員になっているかもしれません。

 はてな匿名ダイアリーの『女の子と付き合うのが面倒』というエントリーがネットで話題となっている。


 筆者は、かれこれ5年以上、恋人同士といえるような付き合いをしておらず、かといって非モテであったり、女性にコンプレックスがあったり、容姿に問題があるかというと、そうではないという。時には、普通に愛情を欲することもあるようだが、それでも付き合うという行為自体、例えば一緒に歩くときに手をつなぐ、休みの日は人ごみにデートしに行く、毎日電話したいなど、ほとんどの女性が付き合い出すと、恋人らしい振る舞いを要求してくることが“面倒くさい”という。


 その理由を「相手のことを純粋に好きという意欲よりも、その関係を維持する手間的コストの方が高いので付き合うという行為を“面倒くさい”と感じてしまうのだろう」と述べた。さらに、「今の世の中は恋愛のスピードが速すぎる。もっとゆるやかに付き合えるような相手が見つかれば、少しは考え方も変わるかもしれない」とつづった。

「女の子と付き合うのが面倒」にさまざまな声

女性向け雑誌としてセレビッチなるものが創刊されたのを筆頭として、CanCanの特集の見出しを見たり、私の同世代向けとされている独女通信を読んだりすると、「女性と付き合うのは面倒」と言う気分になってくるのは否めません。それに私は老若男女問わず色色な方とお付き合いさせていただき様様な事を学ばせてもらっているので、態態高いコストを払ってまで特定個人と恋人関係を築こうとする必要が無いのです。
結婚した友人らを羨ましく思う時はあるのですが、それは一生その人と添い遂げたいと思える相手を見つけられた事に対する羨望であって、恋人が居るという事自体にではありません。


逆に言えば、美少女ゲームと言うものが存在することによって、女性は男性の性欲対象と言う立場から開放される可能性を秘めているとも言えるのではないでしょうか。某国会議員の方が「『ぶってぶって』とよくせがむ」と一時期話題になりましたが、そう言う奇抜な性癖も妄想の中で完結させることができれば、他人の人格を無闇に傷つけることも無くなるかもしれませんしね。
美少女ゲームコンテンツ産業の一つとして認識し、規制するという方向ではなく有効活用できる方向に導くよう制度を整えるのが必要なのでは無いでしょうか。