仕事の選り好み

女性進出支援へ新戦略」について。

 政府は3日、男女共同参画社会の実現に向けた取り組みを一層強化するため、4月中に戦略的な新プログラムを策定し、全閣僚が参加の男女共同参画推進本部(本部長・福田康夫首相)で決定する方針を決めた。


 新プログラムは女性の進出が進んでいない研究者、医師といった分野での支援態勢の整備や、2005年度のデータで1・8%にとどまっている国家公務員の女性の管理職の比率向上を省庁側に求めることなどを盛り込む見通しだ。

コレに関連しては何度も述べているが、数値目標を持つなど無理して推し進める必要は無い。働きたいなら働き口は山ほどある。…とは言え、大部分がパートやバイト、派遣と言ったものであるが、そういった雇用の問題はまた別の問題であろう。


戦時中、「事務職は女のみ」とする法律が施行され、職場から男性が追放されたという事例がある。理由は戦時中の工員不足に起因する。男性は兵隊として戦地に赴きつつも、女性は工員となると「嫁の貰い手がなくなる恐れがある」として一向に働かなかった為、企業の事務職を女性のみにすることによって男性を職場から追放し工員とせざるを得なかったから、と言う経緯がある。
現在行われている男女共同参画推進事業は正にソレであろう。雇用機会は男女わけ隔てなく設けられているにも関わらず、多くの女性が自分がやりたいことのみをしようとしすぎるのが問題なのだ。男性は働く口が無ければ肉体労働をする事を厭わないが、女性はどうだ?


平成17年国勢調査 第2次基本集計結果(全国結果)統計表第1表 労働力状態(8区分),年齢(各歳),男女別15歳以上人口を見れば、女性の4割以上は主婦か兼業主婦である。

総数 労働力人口 労働力人口
総数 就業者 完全失業者
総数 主に仕事 家事兼仕事 通学兼仕事 休業者 総数 家事 通学 その他
53,085,562 38,289,846 35,735,300 34,087,161 544,471 560,697 542,971 2,554,546 12,568,045 934,264 3,670,141 7,963,640
56,678,857 27,109,839 25,770,673 16,868,133 7,953,939 507,130 441,471 1,339,166 28,439,728 16,789,317 3,258,600 8,391,811
失業者数が4%を超えている中、女性の社会進出を促せるだけの経済力が社会にあるとは思えない。ならば先ずは景気対策として失業者を減らし、経済が活性化してきた際に改めて女性の社会進出に取り組むべきでは無いだろうか。国の予算に限りがある以上割ける金額にも上限があり、どちらも重視すると言うことでは新たな借金を生むだけだ。


また雇用確保の為にこのような事をするよりも「各企業は年に一定人数の長期失業者を雇用する」と言う法整備でもする方が失業者対策になるのではないか。

 国民生活審議会(福田首相の諮問機関)の「働く」作業部会は3日、ニートやフリーターのほか、障害者や母子家庭の母親などの「就職困難者」の就業を支援するため、雇用環境の改善策を盛り込んだ答申案をまとめた。


(略)


 答申案は、「就職困難者一人一人に訓練から職業紹介、就職に至るまできめ細かく支援する体制が十分に整備されていない」と問題点を指摘したうえで、具体的な改善策を列挙した。


 支援チームは、都道府県ごとに、NPO(非営利組織)法人などの民間支援団体と、国・地方自治体の労働・福祉分野の職員が協力して結成し、ネットカフェなどに出向いて相談を受けることを想定している。


 また、ハローワークでの就職相談、労働基準監督署での労災事故申請など、労働関係のすべての相談に対応できる窓口を各都道府県に設置するよう求めている。


 このほか、〈1〉労働関係の施策や相談窓口の情報が全国で簡単に検索できるホームページの整備〈2〉学校教育での「働くことの権利と義務」の周知徹底〈3〉労働行政の予算、定員の確保――などを提案している。

若年失業者も問題だが、30歳以上の長期失業者・アルバイト等の短期労働者をどうにかしなければ、2〜30年後には大きな社会負担となってくる。優先順位を間違えてはいけない。「就業困難者一人一人にきめ細かく支援」と書けば聞こえは良いが、単に失業者をネタにした外郭団体作成の方便でしかなかろう。就業する意思の無いものを就業させるよう働きかけるのではなく、就業する意思のあるものに雇用の場を提供する事こそが求められていることでは無いだろうか。