歩道橋撤去

東京から歩道橋消える?バリアフリーで撤去加速について。

 東京都が歩道橋の撤去を加速させている。少子化の進行で歩道橋を使う子供が減る一方で、バリアフリー化の流れで歩道橋が高齢者や障害者にとっての「バリア」とみなされるようになってきたためだ。歩道橋が街の景観を損ねているとして、地域住民が撤去を求める例も多く、都は「歩道橋は基本的に撤去を進める」としている。(溝上健良)


 都が管理する歩道橋は平成18年度末で651カ所で、設置が始まったのは昭和37年。年代別でみると30年代は23カ所、40年代が540カ所、50年代は57カ所、60年代以降31カ所と圧倒的に40年代のものが多い。


 歩道橋は比較的、地震にも強い構造になっており、維持管理を怠らなければ50年以上はもつとされ、寿命を迎えたものはまだない。しかし、都は利用者の減った歩道橋については「役割を終えた」として、10年度から撤去を開始。15年度までに9カ所の歩道橋を撤去し、16年度は5カ所、17年度も4カ所を取り壊した。さらに18年度は13カ所と撤去を加速させ、今年度も11カ所を撤去する予定で、すでに10カ所が実施済みだ。

都内には確かに無駄な歩道橋があるのだろうが、歩道橋は歩行者の為にもなるし自動車の為にもなる。歩道橋を潰して横断歩道を作ってしまえば交通渋滞が増えるだけだ。結果、排ガスや騒音による周辺住民への影響も馬鹿にならないし、加えてガソリンの消費量も増える事になるのだから、CO2削減と言う目標から一歩遠ざかることにもなる。
歩道橋の利用者はその上を歩く者達だけではなく、下を通過する自動車でも有るという認識を持って欲しい。

 この背景には高齢者・障害者への配慮がある。歩道橋にエレベーターを後付けしたり、スロープを設置する対策もあるが、エレベーター設置には用地買収費も含めると「1カ所あたり億単位の費用がかかる」(都建設局)。さらに、維持管理は区市町村に依頼するため、調整が難航しがちで、都内でまだ5カ所にしか設置されていない。


 スロープも車いすの利用を考えると長さ60〜100メートルが必要で、これも用地買収を考えると後付け設置は至難の業。そこで「平面が一番のバリアフリー」として、都では利用者が少なく横断歩道が近くにある歩道橋については地元との調整がつき次第、撤去する方針を打ち出した。

一番理解できないのはここだ。車椅子の方が使えないからと言う理由で歩道橋を撤去するという理由が分からない。歩道橋は視聴覚に不自由な方が安心して渡れる場所でもあるはずだ。特に「歩行者が避けてくれるだろう」と言うような無茶な信号無視をする輩もいる中で、障害を持った方が4車線や6車線も横断しなければならないのは危険であろう。車椅子に乗っている方であれば一目で分かるが、視聴覚に難のある方は一見分かり辛いく、ドライバーの危険判断も甘くなる。
まあそう言う馬鹿なドライバーを擁護するつもりはサラサラないのだが、そう言う馬鹿な輩がいることは事実なので、その為にもある程度安全な道を確保しておく事は重要ではないかと思う。

 歩道橋がなくなったことで、地元住民からは「通りがすっきりした」「(階段が撤去されて)歩道が広がり、通りやすくなった」との声が寄せられているという。都は「どうしても必要なものを残して、歩道橋の数はこれからも減らしていく」と話す。
 工学院大学の谷口宗彦教授(都市建築デザイン)は「段差が高齢者・障害者にとってバリアなのは確かで、高齢化社会の進行で歩道橋が減るのは時代の必然ともいえる。歩道橋撤去後の信号の整備では、目や耳の悪い人への対応が望まれる。交通量の特に多いところでは歩道橋へのエレベーター設置を求めるなど、歩行者が安全に渡れるような手段を確保していくことが大事だ」と話している。

「金の余ってる東京ならではの道路行政」と言うイメージが払拭できない。
最近我が家の近くにスクールゾーンを示す緑のラインが3m近く引かれたのだが、雨の日にとてもよく滑るあの部分は、却って事故を引き起こすのではないかと心配している。それに道に塗っている場合、踏んで初めてその道の色に気付くと言うパターンもあるだろうが、その場合バックをして道に戻るのは危険だろう。ならば手前に一方通行の標識を立てておくほうが効率が良いではないか。
また都内の交差点の外側は赤く塗られている部分が多い。ドライバーに歩道が近いため注意を促すという意味で塗られているようだが、あれは果たして意味のあるものなのだろうか。1箇所塗るのに数百万単位で掛かるのだとしたら素直に賛成することはできない。


こういう使い方を見ると、道路特定財源と言うものは無駄遣いしか生み出さない税金であると感じる。世の中には必要な道路があるのだろうが、必要な道路にかかる予算ありきで税金を割り振るべきだろう。収入ありきで使い道を考えるのは本末転倒だ。
今後増税を予定されている消費税についても、社会保障への特定財源化する事が謳われているようだが、これも同じような問題を孕んでいるという事を認識すべきだ。