結婚の「リスク」

昨今、日本で離婚率が上昇している。それに伴い母子家庭件数も増加している。
結婚時に離婚のことを考えるのは不謹慎と思われがちであるが、このような統計を見る限り、離婚はそう珍しいものでは無い。むしろ交通事故を起こす確率よりは高いと思われる。であれば、事前に策を講じておくのはリスクマネジメントの観点からも重要だろう。
特に資産を持っている人であれば尚更だ。
友人が結婚する際、夫婦財産契約制について話をし、結婚前に一度弁護士などに相談してみたらどうかと薦めてみたが、「彼女を信じているのでそう言うことはしない」と一蹴された。一見とても良い夫のように思えるが、これは信者が「神を信じているので絶対に幸せになれる」と言っているのと変わりない。
信じることは大切だが、妄信しては足元をすくわれる。


離婚率が4%を超えるアメリカでは、資産家が婚前契約(プレナリップ)を締結する事は常識のようだ。まあこれほどまでの金持ちであればどの様な契約をしておくかは、とても重要な問題になるだろう。
尤も日本の場合、資産が少なくてもこう言った契約を結んでおく事は極めて重要と言える。少なくとも男側にとっては。何故なら、多くの場合子供の親権は(経済力の有無に関わらず)母親側に移り易く、財産の半分に加えて慰謝料も払わねばならず、離婚後は子供の養育費をも払い続けなければならないのが通例だからだ。このように、日本における離婚は男に大きなデメリットが発生する反面、女にとってはメリットがあり、それを裏付けるかのようにgoogle:離婚における上位サイトの殆どが女性向けで「養育費を1円でも多く」だとか「慰謝料請求に必要なもの」と言うようなものになっている。


幸せな結婚生活を送っている友人を見ると、こうやって結婚にリスクを考えて慎重になってしまう自分がなんとも小さく思える。しかし、「結婚して幸せだ」と言う友人の疲れ切った顔を見ていると、「本当に幸せなのか?」と問いたくなる事もある。
まあ、結婚できない独身男性の僻みだと思って受け流してもらっても構わない。