母に携帯電話を用意する

母親が携帯電話を買ってくれというので用意する。
機種はauのA5526K、色はスティーリーレッド。


「待ち受け用の電話にしか使わない」
と言っていたので、A1460PTにしようと思ったのだが(私と父はこれ)、話を聞いていると
「仕事仲間に馬鹿にされない程度におしゃれなのがいい」
と言う追加要素がありそうだったので、私感覚でおしゃれでありながら、かつ文字が大きく使いやすそうな携帯を選んだところ、これになった。



購入後、母に必要最低限の使い方を教えようとするも、コレがまたうまく行かない。
説明している最中、こちらが一言二言言うと
「分からない」
と言われてしまう。


分からないなら分からないなりに覚える努力をしてくれても良さそうなものなのだけれど、私にはソレが感じられない。
少なくとも「眼鏡をかけないと文字が見えない」と言うほどに目が悪いのであれば、説明を受けている間はずっと眼鏡をかけていて欲しいものだけれど、全然眼鏡をかけない。
「一番左上のボタン」
と、ボタンの配置位置しか覚えようとしない。
各ボタンに文字は書いて有るし、文字によるナビゲーションも確りしてると言うのに、それらを見ずに
「左上のボタンを押して、右ボタンを押して…」
と言うようにしか覚えないので、それ以上の操作が出来ない。


慣れてないから使えないのは仕方が無い。
覚えるのが不得意なのも仕方が無い。
けれど、教わる気が無いのではどうしようもない。
指摘すると
「覚える気が無い訳じゃない」
と言うのだけれど、操作を説明するたびに眼鏡を外しているのでは、覚える気が無いと取られても仕方ないのではないか?


とまあ散散言ったのだけれど、態度を直してくれる様子も無かった。
やはり60年と言う人生を歩んできた故になかなかそれまでの自分を変えることは出来ないのだろう。
結局、
・番号を押して電話をかける
・電話帳を選んで電話をかける
・不在着信を確認して電話をかける
と言う、必要最低限の動作を覚えてもらうまでに1時間近く掛かった。



しかし、今回の件は勉強になることが多かった。
・自分の理解できないものを理解しようと努力する事
・苦手だと感じても、克服する努力をする事
・歳を取ったことを言い訳にせず、何事にも挑戦する事
・自分の心がけは重要だが、相手にそれが伝わっているのかという事も重要なのだという事


老いというものは誰の身にも訪れるのなのだから、母の姿は明日の我が身でもある。
歳をとってもものを覚えようとする姿勢は忘れないようにしたい。


また、最後の項目については、自分の努力や想いが空回りしないようにするためには必要な事だと思う。
「努力をアピールする行為」は好まないが「努力を理解してもらえる姿勢」は必要だろう。