機能しなくて当たり前

ホットラインが機能しなかった」と言う話題。
私がバイトをしていた某飲食店にも目安箱なる会長に直接届く投函箱があった。最初はなかなか面白い精度かなと思ったが、店長が投函箱の中に手紙が入ってないかを常にチェックするので(鍵が掛かっているので開けられないが、箱を揺すって中の存在を確認する)、投函できたもんじゃなかった。箱に投函しないようミーティングで毎度のように言われる。と言うか、そもそも目安箱に入れる為の書類一式が店長によって保管されているので、、投函しようとすると投函者が誰だか分かってしまうのだから、投函なんてできるもんじゃない。
マクドナルドの事例ではホットラインと電話を使った告発制度なので私のバイト先とは全く違うので比較的告発しやすいのかもしれないが、マクドナルド店舗1店につき社員がどれだけ居るというのか。社員しか告発できないのであれば、その店で誰が告発したのかほぼ分かってしまうのだから、態態人間関係を崩してまで告発しようとする人もいないだろう。


そもそも、構築したシステムの動作確認もせずに「上手く機能すると思っていた」とは、システム設計者としては失格だ。システムは構築後の評価をして見直し・再評価を続けていくものであり、自分の作ったシステムの性能について疑おうともしないのは、設計者の奢りである。
「作ったシステムが上手く機能しなかった」と言う言い訳は、経営者がすべきではない。


今後はこの制度をバイトにも適用し、

 そして、現場の意識改革だ。内部告発を奨励する社内の雰囲気を作り上げる。「告発と密告は違う。会社や上司の悪口は密告だが、告発は会社や社会を良くするための建設的な意見。この意識を社員やアルバイトに根づかせていきたい」と原田会長は言う。

としているが、この会長は見ず知らずの方に電話を掛けるという事自体が大きな壁だという事を自覚すべきだ。逆にアルバイトの電話番号を全て把握した上で、会長自身が毎日ランダムに選ばれた電話番号10件に電話をかけて現場の状況を確認する、なりのことをすべきだ。「アルバイトにまで枠を広げたし、社内の雰囲気を変えていくからもう大丈夫」等と思ってまたシステムの天辺で踏ん反り返っているだけでは、同じ愚をまた犯すだけである。現場にとっては「遠くの会長より近くの店長」なのだ。顔見知りで現場の苦楽を共にしている店長が「今月ホント厳しいんだよね」と言って不正をした時、態態会長に義理立てして不正を告発し、職場の存続をも脅かす必要が何処にあると言うのか。


そもそもこの告発制度で告発者が利する事が有るのか?「自らの利益にはならず、(短期的に)店舗には不利益、システムが機能したことを会長が喜ぶだけ」と言うシステムを利用したいと思う人がどれだけ居るだろうか。切り捨て御免の社員や、短期労働力のバイトに対し、会社への忠誠心を求められるとでも思っているのだろうか。


ま、反対に言えば、こういう考えをしている方が企業や国の指導的立場に居るからこそ、見かけだけご立派なシステムが想定した機能を発揮しないまま運営されているんだろうが。