トラックバックへの返答

面白い日本電産の言い分」タイミングが良かった所為か注目記事になり、多くのコメントとトラックバックを頂きました。今回は頂いたトラックバック先サイトに書いてあった内容について。色色なことが書いてあって参考になったので、それぞれについて自分なりに感じたことをまとめてみます。


「雇用の重要性を説いた」ですって - reponの日記 ないわ〜 404 NotFound(暫定)

いずれにしろ労基法違反なので、労働基準監督署はちゃんと取り締まって欲しいです。

自分の経験によると(都下の某労働基準監督所を利用した際)、労働基準監督所は従業員からの訴えが無い限り、対象企業への査察などができないそうです。これは労働者と企業との間での円満な解決を図ることを第一としているためだそうです。つまり会社内の問題はその会社の従業員によって行われるべきだ、と言う考えのようです。つまり法令違反であっても「従業員が納得しているなら」問題無いと言うことのようです。
それも一面では仕方の無い部分もあると思います。各会社には様様な業態があり、特定の法律によって一律に制限できるものではないからです。本来ならそういう部分は労働組合との間で話し合いが行われるべきなのでしょうが、事務職や営業職の多い企業には労働組合が存在していない場合が多く、労使関係の適正化に勤めることができていないのが現状だと思います。
労働者が「誰かが自分を現状から救ってくれる」と思って何もしない、若しくは「空気を読んで」何もしないのは、己の権利を放棄したも同然で、放棄した権利をも救う必要は無いと思います。これは選挙にも行かないで政治批判をする方方と同じ図式ですね。とは言え、私は自分で何かしようとしたら会社を首になった経験がありますので、この方法を強く勧めることもできないのが難しいところです。
「労働基準監督所に誰が訴えたのか」と言う点については守秘義務があるそうで会社側に名前はばれないそうですが、公的機関のため日中しかやっておらず、利用できる人に限りがあるのが難しいところですね。日本電産のように残業当たり前で休日も取れないような会社だと、労働基準監督所を利用できる時間帯に会社にいなかった人が必然的に疑われる事になるでしょうし…日本の労働環境を変えるためには、現状の労働基準監督所のあり方から考えていく必要があるのかもしれません。


故意に労働基準法を無視し続ける経営者は刑事罰でいいよもう - novtan別館

将来って一体何なんだろうね。まさか、頑張った人は全員部長レベルになれるのかな。某お役所SIerの大量課長よりすごいね。

この社長の言っていることはねずみ講と同じ理論ですね。成長し続ける会社であれば問題ないのですが、M&Aで企業規模が大きくなっていく会社では、企業が成長することで空きポストが増える訳でもないのですが、従業員に「頑張ったから会社が大きくなった」と思わせ、将来に希望を抱かせるには十分なのでしょう。
まあ多かれ少なかれ年功序列制と言うのはそう言う側面がある為に、各所で「ポストが足りない」と言う声が上がるのではないかと思います。

少子高齢化は、出生率の低下や間近に迫った団塊の世代の退職で、最近特に注目を集めているが、突然現れた問題ではなく、企業の中では、中高年齢層の増加により、年功賃金が維持できない、管理職のポストが足りない、といった形で、既に1990年代から表面化していた問題であり、これまでの対応の成功や失敗をもとに、より適切な制度を作っていくことで、今後の少子高齢化を乗り切っていかなければならない。


社長と労働基準法 - 脳内新聞(ソース版)

労働基準法とかを理解していない社長って結構いますよね。

転職の際、多くの企業において「弊社は年俸制なので残業代は出ません」と言う発言をされます。年俸制でも残業代は支払わなくてはいけないのですが、そう言うことを意図的に無視しているのか、それとも勘違いしているのかは判断付きかねる事があります。フレックスタイム制も同様に「それはフレックスと言わないんじゃ?」と言うものが多いです。どちらにせよ改善して欲しいことには変わりませんが。
そう言った賃金関係や労働時間関係を確り話すと採用されない事が殆どです。まあそんな我の強そうな人材を企業が求めていないと言うだけかもしれませんけれど。


http://d.hatena.ne.jp/strange/20080429/p5

社員に長時間労働をさせないと会社を存続できない経営者が無能という話ではあるのだが、それなりに無能ではない経営者であっても「社員に長時間労働をさせないと会社を存続できない」ケースにはどうすべきかという問題になる。


おれはそのような会社はつぶれないと市場がおかしくなると考える派ではあるんだけども、その一方でミクロで見るとその会社で働いていた人が困るという実態もある。でもさらにいえば、その会社が存続することで職を得ている人がいることで、労働者全体に迷惑がかかるということでもある。

一次的な経営危機等で「短期的に従業員に負担を強いねばならない」と言う場合であれば仕方が無いとは思いますが、慢性的に長時間労働(サービス残業と言う意味だとします)をさせないと会社が維持できないのであれば、長時間労働をすることを前提とした給与体系にすべきだと思います。月40時間の残業が発生するのであれば、基本給を2割下げる事で40時間残業をすれば元の基本給が手に入る金額にする、と言うことですね。
それでも人手が足りないのなら新規に雇用すべきだと思います。ただ、正社員3人雇うよりも正社員2人に4時間ずつ残業をさせた方が短期的なコストが安いので、従業員を増やすと言う方向で検討されないのでしょうけれど…その企業が長期的な成長を考えているのであれば、1人当たりの残業時間を増やして従業員を使い潰すような考えは持てない筈なんですけれどね。


http://d.hatena.ne.jp/simatomoki/20080429/p1

法律やワークライフバランスの問題も大事だと思いますが、個人的には「本当にこの会社のあり方は、持続的な成長が可能な企業のあり方としての最適解であるか」そこがとても気になります。

「企業の成長」をどう捕らえるかによって、最適解であるかどうかが異なるように思います。日本電産M&Aによって多くのグループ会社を持ち、そのグループ会社の業績を企業の業績として年年業績を伸ばしています。つまりグループ会社を増やすことが企業の成長と言うことであり、一つ一つの会社の成長によってグループ全体が成長している、と言う訳ではなさそうです。
そう言った「M&Aによる業績拡大」を「企業の成長」としているのであれば、従業員を使い潰すような経営方針は最適解といえるのかもしれません。まるでハゲタカファンドのようなので好きにはなれませんが。


Nidec さん - Modokey(モドキ) の日記 by MacBook Pro

遅くまでとか休みも出てきて、一生懸命仕事するってのも必要な場合も当然ありますが、身体壊したら意味ないですよね....なんて、連休の狭間に思ってしまいました。

健康管理は自己責任と言われる昨今、労働時間にもある程度の融通が利くようになるとありがたいと思います。ずっと健康で働ける訳ではないのですし。


http://d.hatena.ne.jp/kuippa/20080429/p2

まず、「ワークライフバランス」なるものは経営者が考えるべき性質のものではなく、働く従業員がその価値観で選択するべきものだとおもう。
その点で「休みたければ辞めればいい。」という考え方には基本賛成する。

(略)

「ちょっくら旅行でもしてくるわー!」的なお気軽な動機で辞めることが日本ではまず許されない。
それを「休む」といっていいかわからないけども、人によっては「休む」が数年に広がることもあっていいとおもう。奥田民生みたいに休んで釣りしててもいい。
だから休みたければやめる自由があっていいと思う。
だから賛成だ。本人がそれを選択するのであれば他人がとやかくいう問題ではない。

「休む」と言うことがどういう意味を持つものか、と言う事が問題ではないかと思います。「現在の業務を長く続けるための休憩」と言う意味での休むのか、「遠い将来を見据えて今は働く時期ではない」と言う意味で休むのか。後者であれば「休みたければ辞めればよい」は成り立つでしょうけれど、前者であれば成り立ち辛いと思います。前者のような休みを取ろうとした際にも辞めなくてはならないのだとしたら、業務自体が成り立りません。
後者のような休みは、この方もご指摘の通り出産などに関する長期休暇のほか、就学するなり特定の資格を取る等にも役立ちます。終身雇用があやふやになっている昨今、自らのスキルアップの為に会社を辞めるというのも選択肢の一つとしてあるべきだとは思います。そう言う行為はあまり日本で容認されているとは思えませんが、外資系であればそれほど無理無く再就職できるかもしれませんし、自ら会社を立ち上げるのも良いでしょうね。それだけの覚悟と資金があれば、と言うことになるでしょうけれど。

うちの会社はそういう会社ですよ!その分稼げるので2年やって2年休む!みたいな仕事の仕方もできますよ。というような佐川みたいなスタイルもありだし、インディペンデントコントラクターみたいな働き方もありだとおもう。

そう言う事を声高に叫ぶのもありだとは思いますが、日本電産の場合は「そう言う意味で言ったんじゃない」と言ってしまったのが問題を複雑にしてしまったかと。


http://d.hatena.ne.jp/ikomaru/20080429

ワークライフバランスとかいろいろいわれているけれど、それ以前に
個人が幸せだとおもえばなんでもいいんじゃないかと。
まぁいいたいことは、一人ひとりが、なんとなく平々凡々に幸せに暮らせる
よのなかだといいですね。

幸せの定義は人それぞれだと思います。人によっては他人に従う事に幸せを感じる方も居るでしょうし、他人を従えることに幸せを感じる方も居るでしょう。ただ「幸せ」と言うものの定義がそのようにあやふやな状態だと、他人とコミュニケーションを取るのが難しく、またそれを基本にしては社会が成り立ちません。犯罪を犯すことに幸せを感じる人が居るからといって犯罪を容認できないようなものです。
同じように「過労」は「幸せ」と定義されない事の一つだと思います。お金を貯める等の他の目的のために過労することがあっても、過労自体が目的であるのはおかしいことだと思います。


例の「労働者は奴隷たれ」のアレ。 - カタログ落ち

 なんか開いた口がふさがらないというか。経営者なら取引先の状況を把握していないといけないと思うんだが、というか、社員にスキルを求めるならとうぜん経営者としての責務はきちんと果たさないとダメだと思うんだが、しかも売上高の半分の取引先の財務状況がどうだったか、三度目になってもまだ同じ失敗をし続けたってのもどうだろう?。あまりそういう話は流れてこないが、もしこの人が他人の失敗を許さないような管理職ぶりなら苦笑いを通り越す。

日本電産の社長はそう言う方だったのか、と驚きました。確かにこれを真面目に語るようでは…


2008-04-30

俺は仕事をやめるぞォー!ジョジョ〜〜!

カッコイイ台詞なんですが、死亡フラグですね。